中小企業が【社格をあげる】広報PRノウハウを解説! 5日間無料メール講座 開講中 購読はこちら

【セミナーレポート】中小企業広報担当者のための「メディアが取材したくなる」プレスリリース作成のコツ

【セミナーレポート】中小企業広報担当者のための「メディアが取材したくなる」プレスリリース作成のコツ

こんにちは。ワンパーパス株式会社代表のヨネザワです。

2025年3月に「中小企業が今から始める広報PR」というテーマでセミナー講師を務めさせていただきました。平日のお忙しい時間にもかかわらず、多くの方にご参加いただき、本当にありがたい気持ちでいっぱいです。

現在、私は、PRTIMES公認プレスリリースエバンジェリストとして広報・PR活動を行いながら、中小企業診断士資格を活かして企業支援に携わっています。

今回のセミナーでは、これまでの事例を交えながら、情報を効果的に発信しメディアに取り上げてもらうためのポイント、広報PRを通じて企業の認知度やブランドを高める方法についてお話ししました。

中小企業の魅力を発信するためのプレスリリース作成のコツやQ&Aなどをご紹介させていただきます。

目次

自己紹介

私は新卒で地方銀行に入行後、東京都の第三セクターやクラウドファンディングの会社を経て独立・起業。中小企業診断士資格を活かして、創業支援施設やインキュベーションマネージャーの仕事に携わりながら、ワンパーパス株式会社を立ち上げました。

現在は、中小企業(主にBtoB)を対象に、広報部門の立ち上げ支援やプレスリリースの執筆代行、広報・PR全般のコンサルティングなどを行っています。広報PRとしての主な活動内容については、以下をご覧いただけたらと思います。

広報PRの役割と重要性

画像

まず大前提として、企業が世の中に向けて情報を発信する際、「PESOモデル」という4つの形があります。

PESOとは、Paid(ペイドメディア)、Earned(アーンドメディア)、Shared(シェアードメディア)、Owned(オウンドメディア)の頭文字を取ったもの。今回は広報PRにおいて重要な「アーンドメディア」について詳しくご説明します。

中小企業が注目すべきアーンドメディア

アーンドメディアとは、新聞や雑誌、テレビなどの第三者によって取り上げられることによって情報が拡散されるメディアを指します。つまり、広告費用をかけずに客観的な視点で取り上げてもらうため、信頼性が高く、企業の認知度向上やブランド構築に効果的なんです。

例えば、自社のホームページで「こんなに素晴らしい商品があります!」とアピールすることはできますが、それを消費者が信用するとは限りません。

しかし、企業が広告費を使わず、新聞やテレビといった第三者のメディアで客観的に取り上げられることで、情報の信頼性はぐっと高まります。SNS時代の今でも、メディアで報道された内容がSNSで拡散される「相乗効果」は強力です。

BtoB企業が成功する秘訣は、商品情報だけでなく、社会課題や独自のストーリーと絡めること。地道な情報発信こそが、企業の価値を高める近道なんです。

広報と広告の違い

広告は、企業自身が費用を支払って一方的に発信するもの。これに対し、広報PRは第三者(新聞・テレビなど)に記事として取り上げてもらうことを目指します。

自社の直接的な「宣伝」とは異なり、メディア視点の「報道」によって第三者の客観性や信頼性が加わるため、読者・視聴者に与えるインパクトが大きいのです。

画像

SNSでの情報収集が主流の時代ではありますが、フィードに流れる記事も元を辿れば新聞のニュースサイトや雑誌の転載記事であることも少なくありません。

新聞やテレビ、雑誌といったアナログメディアの影響力は未だに大きく、そのメディアに露出した内容がSNSで拡散されるという“相乗効果”が、広報PRの強みとなります。

BtoB企業こそPRが難しい?

画像

中小企業の広報支援をしていると、商品・サービスのPR方法に苦慮している企業が多いと感じます。「うちが扱っているのは、BtoB向け商品だからPRしづらいんじゃないか」と悩まれているケースが多いんです。

BtoB企業に適した発信切り口

ここで、ケーキ屋の広報PRを例に見ていきましょう。有名パティスリーが「新しいケーキを発売します!」「クリスマス〇〇個限定」というニュースがテレビや雑誌で紹介されると、たちまち店の前には行列ができ、連日完売御礼となるでしょう。

一方、中小企業は広告予算が限られている場合が多く、メディア露出だけを頼るわけにはいきません。そのため、SNSを活用した情報発信や、地域イベントへの積極的な参加といった、費用対効果の高い広報PR活動が重要となります。

もうひとつ、町工場の事例を紹介したいと思います。町工場では「ネジを製造しています」「金属加工をしています」といった情報をそのまま発信しても、一般の視聴者には響きにくい面があるのは事実です。

しかし、視点を変えれば、環境への配慮や独自の人事制度など、小さな町工場ならではの切り口でアプローチできる余地があります。

以下のように、社会的意義や時事トピックと絡めることで、BtoB企業でも記者に興味を持ってもらいやすくなります。

●人事制度・組織体制
例)女性比率の高さ、働き方改革、男性育休推進 など
●地域連携や産学連携
例)近隣の小学校や大学と協力した研究・授業、イベント開催 など
●SDGsや環境への取り組み
例)工場の排水削減やプラスチックごみの削減 など
●社会背景との関連
例)高齢者雇用、外国人技能実習生の活躍 など

本屋うさぎ道の事例

画像

私は、うさぎ関連の本を扱うシェア型の小さな本屋「本屋うさぎ道」を運営しています。干支のうさぎ年に変わる前、つまり寅年最後の12月にイベント開催のプレスリリースを出したところ、10件以上のメディアから取材をいただきました。

干支関連のニュースが増えるのは、毎年年の瀬の12月です。そのタイミングが、多くのメディアにとりあげていただいた要因だったと感じています。

さらに、「コロナ禍でうさぎの飼育頭数が増える一方で、飼育放棄も増えている」という社会問題をプレスリリース内で触れたことも、取材をいただけたきっかけとなりました。

単に「うさぎが好き」という視点だけではなく、その背景にある社会的課題にもしっかり焦点を当てることで、記事にしやすいテーマとなったのです。

プレスリリースのつくり方とコツ

広報PRの基本的な考え方を理解したところで、次はプレスリリースの具体的な作り方についてお話しします。プレスリリースにおいて特に重要なのは、「タイトル」です。記者は、タイトルを見て記事として取り上げるかどうかを一瞬で判断します。

つまり、製品やサービスの情報を効果的に発信するためには、記者の目を引く魅力的なタイトルづくりが非常に重要となるのです。

タイトルのポイント

1. 誰が・何を・いつ・どこで という基本情報を端的にまとめる
2. 社会背景との結びつき や ユニークさ が一目でわかる工夫
3. 事実を正確に伝える(誇張や抽象的表現を避け、数字を示す など)
4. なるべく 短く わかりやすい日本語でまとめる

また、タイトルだけでなく、本文にも「なぜ今このニュースを伝えるのか」という社会的背景や数字(ファクト)など、記者が記事を書きやすい情報を盛り込むことが大切です。

せっかくプレスリリースを出しても、単なる“商品宣伝”に終わってしまっては、メディアにスルーされてしまいます。

タイトルはプレスリリースの命ともいえる存在

画像

セミナー後半では、実際に発信したリリースをもとに、受講者の皆さんと一緒に、「どのようなタイトルを付ければ記者の関心を引くことができるのか」を考えるワークを実施しました。

私はタイトルをつける際、記念日やトレンドとの関連づけを意識しています。

こうした既存の“日付”“流れ”に乗せることでメディアのアンテナに引っかかりやすくなり、結果的に企業名・取り組みが紹介される可能性が高まるというわけです。

記者クラブやPR TIMESを活用して情報を発信

プレスリリースが完成したら、次はメディアに届けるフェーズです。PR TIMESのようなワイヤーサービスを使えば、全国数多くの記者の元へ届けるだけでなく、ネット検索における露出度も高まり、SNSとの親和性も高いというメリットがあります。

また、記者クラブに足を運ぶのもぜひ試していただきたい方法のひとつです。各都道府県の庁舎や政令指定都市の市役所には「記者クラブ」が設けられているのはご存じでしょうか。

新聞・テレビ局の記者が常駐しているため、代表電話などで問い合わせをすればプレスリリースを持ち込む手順を案内してもらえます。直接足を運んで、名刺交換ができると今後の継続的な情報提供もしやすくなるでしょう。

まずは1本とじっくり向き合う

プレスリリース作成には、社会問題の把握や情報収集など事前準備が必要です。ただ単に書けばよいというわけではないため、想像以上に時間・労力がかかります。

そのため、まずは月1〜2ヶ月に1本ペースで良質なものを出していくのがおすすめです。これはあくまで私個人の考えですが、短期間で仕上げたものよりも、1本1本とじっくり向き合い、思いを込めたリリースの方がメディア受けがよいと感じています。

今回のセミナーを通して、私が改めてお伝えしたかったのは「中小企業やBtoB企業でも広報PRは十分可能であり、大きな価値がある」ということです。

少子化や働き方の多様化により採用が難しいといわれる時代だからこそ、広報PRは会社の強みや社会的意義を外部に示す絶好の場でもあります。

経営理念やカルチャーに共感した人が採用候補者になったり、取引先や地域のステークホルダーとなったりするケースもありますから。

優れた商品やサービスでも、情報を出さなければ日の目を見ることなく終わってしまいます。プレスリリースという形で社会との接点をつくり、いかにストーリーを届けるか。それが広報PR活動の本質だと考えています。

ぜひ皆さまも情報発信に一歩踏み出してみてください。地道に続けていけば、必ずどこかで大きな波がやってきます。

地道な発信がチャンスを呼ぶ

中小企業やBtoB企業でも広報PRは十分可能で、大きな価値があります。情報を適切に発信することで、採用や取引拡大、地域連携など多くの機会が生まれます。ぜひ継続的な情報発信を始めてみてください。

ワンパーパス株式会社としても引き続きBtoB企業の情報発信を支援し、2025年4月には「BtoB企業のSNS活用」オンライン講座も予定しています。共に学びながら広報PR活動を進めていきましょう。

質疑応答

セミナーの質疑応答で受講者の方々からいただいた質問をご紹介したいと思います。

Q1.PR TIMESなどで有料配信すると1本数万円かかるが、どの程度の効果が見込めますか?

A. すべてを一斉配信すると費用もかさむため、「ここぞ」という優先度の高いニュースに絞るのがおすすめです。

Q2.新製品・新店舗のオープン告知は何週間前に出すべきですか?

A. 2〜3週間前がベストです。1ヶ月以上前だとタイミングを忘れられ、1週間前だと直前になり、記者の予定があいていないケースが多いです。

Q3.「自社サイトとのタイミングをどう調整するのがよいですか?
A.  配信サービスに載った時点でインターネット上では公開の状態です。自社サイト・SNSでも同時期に公開して問題ありません。ただし、特定のメディアに先行して情報提供するのも有効な場合があります。

今後に向けて

ワンパーパス株式会社としても、今後もBtoB中小企業の情報発信力アップをサポートしていきたいと思っています。技術や製品だけでなく、人材活用・地域連携・環境対応などさまざまな魅力を見つけ、社会に向けて発信するお手伝いを続けていきます。

2025年4月には「BtoB企業の情報発信」に関するオンライン講座を開催しました。今後定期的に開催するので、興味があればぜひ気軽にご参加ください。

私自身まだまだ勉強中ですが、ともに学び、一歩ずつ着実に広報PRの取り組みを続けていければ嬉しいです。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次