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プレスリリースだけじゃない!隠れた強みを再発見し成長につなげる中小企業広報の仕事術

子育てをしながらPR会社の代表を務め、中小企業診断士・PRプロデューサーとしても活動しているヨネザワです。前回に引き続き、今回も「広報とはなんぞや?」をテーマにお話します。

「広報・PR」と聞くと、「流行に敏感」「著名人やインフルエンサーと関われる」といった、華やかなイメージを持たれる方が多いかもしれません。確かに、企業の顔としてテレビやイベントで活躍する側面もあります。

しかし、私自身、広報の仕事に携わるなかで実感したのは、むしろ“縁の下の力持ち”として、地道な業務を積み重ねることの大切さです。

特に、リソースが限られている中小企業において、広報活動は単なる「プレスリリース配信」にとどまりません。自社の認知度向上、そして事業成長を実現するためには、メディアとの戦略的なリレーション構築や、ターゲットに刺さる情報発信など、戦略的な視点が不可欠です。

本記事では、中小企業における広報の役割、その難しさとやりがいについて、私の経験をもとにお伝えします。

中小企業における広報の役割とは?

中小企業における広報の役割とは、何でしょうか?それは、限られたリソースの中で最大限に効果を発揮し、企業の認知度向上と事業成長に貢献することです。

大企業とは異なり、予算や人員が限られているからこそ、広報担当者はプレスリリースの作成・配信、メディア対応といった対外的な情報発信だけでなく、イベントの企画・運営、SNS運用など、多岐にわたる業務を効率的に行う必要があります。

これらの活動を通じて、企業とステークホルダーとの良好な関係を築いていくのです。

さらに近年では、採用広報も重要な役割の一つとなっています。企業の魅力や働く環境を積極的に発信することで、優秀な人材の獲得、ひいては組織力強化につながります。

目次

地方紙掲載が呼び込んだ、自治体からのイベント参加依頼

中小企業において広報は、企業への共感を呼び、ファンを増やし、確固たる信頼を築き上げる戦略のひとつです。そして、その信頼は企業の成長に寄与します。

メディア露出が増えることで、企業の認知度向上や売上拡大はもちろん、社員のモチベーション向上、採用活動の強化、金融機関や行政との関係構築といった、事業成長につながる好循環を生み出します。

私が支援させていただいたクライアント企業で以前、全国紙の地方面に掲載された記事がきっかけで、地方自治体から、地元中小企業の集まりに参加しませんか、という依頼が舞い込んだというケースがありました。

これは、メディア露出を通じて企業の信頼と認知度が高まり、新たなビジネスチャンスにつながった結果といえるでしょう。

中小企業の広報ならではの難しさ

しかし、中小企業が広報活動で成果を上げるまでには、一筋縄ではいかないことも多いです。ここからは、私が中小企業の広報活動に携わるなかで感じた、難しさについてお話したいと思います。

1. 認知度の低さ

大手企業と比べて、中小企業は一般的に認知度が低い傾向です。そのため、メディアに取り上げてもらうためのハードルが高く、情報発信の工夫が求められます。

どれほど優れた製品やサービスを持っていても、その存在を知られていなければ、ないのと同じです。特に、メディア露出を狙う場合、大手企業と比べてニュースバリューが低いと判断されやすく、記事として取り上げてもらうのが難しいという現実があります。

そのため、中小企業は、自社の強みや独自性を明確にし、メディアが興味を持つような切り口で情報を発信していく必要があります。

2. リソースの不足

広報専任の担当者を置くことが難しい場合も多く、他の業務と兼任しながら広報活動を行うケースも少なくありません。限られた時間で、いかに効率的に成果を出すかが課題となります。

私自身、中小企業の経営者とお話する機会がありますが、広報専任者を置けている企業は少ない印象です。多くの企業では、営業担当者や総務担当者などが、他の業務を行いながら広報活動を行っています。

このような状況では、広報活動に十分な時間と労力を割くことができず、効果的な情報発信が難しいというのが現状です。

3. 発信すべき情報の見極め

中小企業は大企業に比べて、新製品のリリース頻度や、大規模なイベントの開催頻度が少なめです。そのため、「何を」「どのように」発信するか、ネタ探しに苦労する場面が見受けられます。

例えば町工場で製造するねじや板金などは、一見すると地味で一般消費者には馴染みづらい分野かもしれません。

しかし、一見すると地味な技術であっても、実は私たちの生活の様々な場面で役立っているんです。また、最近では「町工場で活躍する女性」や「女性が働きやすい職場づくりをしている事例」といった、働き方に焦点をあてた記事も多くあります。

一般消費者にその価値を理解してもらうためには、広報担当者が製品・サービスや企業の魅力を知ることが大切だと思っています。

中小企業の広報ならではのやりがい

難しさがある一方で、中小企業ならではのやりがいもたくさんあります。大手企業のように承認プロセスに時間を取られることが少ないため、意思決定のスピードが速く、タイムリーな発信を行いやすくなるんです。

これは私の経験則ですが、中小企業は大企業に比べて、経営層と広報担当者の距離が近いように思います。経営方針や重要な戦略を直接共有できることでクライアントへの理解が深まり、事業戦略のPRをより戦略的・効果的に展開できるようになるんです。

また、限られたリソースのなかで幅広い業務に携わることができ、自身の成長を感じられるのもやりがいのひとつですね。「会社の成長にダイレクトに貢献している」という実感を得やすく、企業の成長を間近で感じることができるので、頑張る原動力にもなります。

企業の価値を伝える

よくある誤解が、「プレスリリースを打てば、メディアに取り上げてもらえる」というもの。実際にはプレスリリースを配信するだけでは、期待通りの効果は得られません。

重要なのは、配信した後のメディアリレーション、つまりメディアとの関係構築です。記者の方々に企業の存在や活動内容を知ってもらい、興味を持ってもらうためには、日頃からのコミュニケーションが欠かせません。

私が支援しているお客様についてお話させてください。その企業では、一般消費者にはあまり馴染みの薄い製品を製造・販売しているのですが、納品先を公表できないという制約がありました。このような状況で、どのように製品の魅力を伝え、企業価値を向上させるかが、広報担当者の腕の見せ所です。

この企業では、製品そのものを前面に出すのではなく、女性活躍や障害者雇用など、組織づくりにフォーカスした情報発信を行いました。その結果、新聞での掲載が実現して、他の専門誌などの取材依頼につながっています。

このように、企業の地道な取り組みをストーリーとして伝えて価値を見出すことで、新たなチャンスを切り開くことができるのです。

情報発信のチャネルを増やす

中小企業の広報活動におけるカギは、情報発信するコンテンツをさまざまなチャネルで発信し続けることだと思っています。多くの企業は、自社のWebサイトに情報を掲載して終わりになりがちです。それではせっかくの情報が埋もれてしまい、必要としている人に届きません。

プレスリリース配信サービスやSNS、業界専門メディアなど、複数のチャネルを活用し、情報発信を「継続」することが不可欠です。

私が支援するある企業では、1年前にPR TIMESに掲載した記事がきっかけで、全国新聞から取材依頼が舞い込みました。これは、複数のチャネルでの情報発信を継続したことで、メディアの目に留まる機会が増えた好例といえるでしょう。

広報は経営そのもの

中小企業にとって、広報は経営戦略と密接に関わっています。広報活動を通じて、企業のビジョンや価値観を発信し、ステークホルダーとの信頼関係を構築することは、企業の持続的な成長に不可欠です。

「自社には広報は必要ない」と考えている経営者の方も多いかもしれません。しかし、情報が溢れる現代において、自社が選ばれる存在になるためには「企業が社会にどのように貢献しているか」をステークホルダーに向けて発信していく、戦略的な広報活動が不可欠です。

この記事を読んで自社にも広報が必要かもしれないと感じていただけた方は、ぜひ一度、広報活動を見直してみてください。

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